諸国一の宮・惣社一覧表
(畿内・東海道)


以下の表記について
* 一の宮についてはこちらを参照に(「一の宮について」
* 他の地区の一の宮はこちらから(「神社の徒然を思う」)
* 一の宮制は「中世」の認定を優先します。ゆえに中世期にあきらかでない神社は「明証なし」となる。
* 空欄は未調査(明治社格等)。神社名に「??」をつけたものは明確な証明なし(主に中世)。
* 記載にあたって「全国一の宮会」認定の「一の宮」を参考。
* また「日本神社名鑑・諸国一の宮」(新人物往来社)・「神社辞典」(東京堂出版)他数冊の資料を参考。
* 異説その他がありましたら報告をお願いします。

地域名
国名 神社名 一の宮格 明治社格 鎮座地
 *一の宮他についての簡潔なコメント

神宮
伊勢 内宮<皇大神宮> 神宮 −−− 三重県伊勢市宇治舘町
外宮<豊受大神宮> 神宮 −−− 三重県伊勢市豊川町
 *神宮は社格を超越した立場。

畿内
山城 賀茂別雷神社<上賀茂社>
(かもわけいかづち)
一の宮 官幣大社 京都府北区上賀茂本山
賀茂御祖神社<下鴨社>
(かもみおや)
一の宮 官幣大社 京都府左京区下鴨泉川町
 *二の宮以下は存在せず。総社は不詳。
大和 大神神社(おおみわ) 一の宮 官幣大社 奈良県桜井市三輪
 *中世期は一の宮の呼称せず。二の宮以下は存在せず。総社は不詳。
河内 枚岡神社(ひらおか) 一の宮 官幣大社 大阪府東大阪市出雲井町
 志貴県主神社 惣社 村社 大阪府藤井寺市国府
 *中世期は一の宮の呼称せず。二の宮以下は存在せず。
和泉 大鳥神社 一の宮 官幣大社 大阪府堺市鳳北町
 泉穴師神社(穴師神社) 二の宮 府社 大阪府泉大津市豊中
 聖神社(信太社) 三の宮   大阪府和泉市王子町
 積川神社 四の宮 郷社 大阪府岸和田市積川町
 日根神社 五の宮   大阪府泉佐野市日根野
 五社総社(泉井上神社) 惣社   大阪府和泉市府中町
 *五の宮までの体制がいつ整ったかは不明。恐らくは南北朝期。
摂津 住吉大社 一の宮 官幣大社 大阪府大阪市住吉区住吉町
坐摩神社(いかすり) 一の宮 官幣中社 大阪府大阪市中央区久太郎町
 *中世期は一の宮の呼称せず。二の宮以下は存在せず。惣社は不詳。
 *坐摩神社は近世以降の認定

東海道
伊賀 敢国神社(あえくに) 一の宮 国幣中社 三重県上野市一之宮
 小宮神社?? 二の宮   三重県上野市服部町
 波多岐神社 三の宮 郷社 三重県上野市土橋
 *惣社は不詳。中世期は二の宮は明証なし。
伊勢 椿大神社
(つばきおおかみやしろ)
一の宮 県社 三重県鈴鹿市山本町
都波岐・奈加等神社
(つばき・なかと)
一の宮 県社 三重県鈴鹿市一ノ宮町
 多度大社?? 二の宮 国幣大社 三重県桑名郡多度町
 伊奈富神社(いのう)?? 惣社   三重県鈴鹿市稲生町
 三宅神社?? 惣社   三重県鈴鹿市国府町
 *伊勢神宮は別格。あくまで伊勢一国の鎮守ではなく日本国総鎮守。
 *三の宮以下は存在せず。
 *一の宮・都波岐奈加等神社は近世以降の認定
 *二の宮・多度大社は明証なし。事実上の一の宮ともいう。惣社も推定であり明証なし。
志摩 伊雑宮(いざわのみや) 一の宮 伊勢別宮 三重県志摩郡磯部町
伊射波神社(いざわ) 一の宮 無格社 三重県鳥羽市安楽島町
 三宅神社?? 惣社   三重県志摩郡阿児町国府
 *中世期は一の宮の呼称なし。二の宮以下存在せず。惣社は明証なし。
 *射射波神社は伊雑宮が伊勢内宮別宮であったために近世以後に認定か?
尾張 真清田神社(ますみだ) 一の宮 国幣中社 愛知県一宮市真清田
大神神社(おおみわ) 一の宮 郷社  愛知県一宮市花池
 大県神社(おおあがた) 二の宮 国幣中社 愛知県犬山市字宮山
 熱田神宮 三の宮 官幣大社 愛知県名古屋市熱田区
 尾張大国霊神社<国府宮> 惣社 国幣小社 愛知県稲沢市国府宮町
 *熱田神宮は天皇家と直結するために外されたのか? 国府からの距離か?
 *いづれにせよ一の宮、二の宮成立後に三の宮とされたという。
 *一の宮大神神社は明証なし。恐らくは近世以降か?
三河 砥鹿神社(とが) 一の宮 国幣小社 愛知県宝飯郡一宮町
 知立神社 二の宮 県社 愛知県知立市西町
 猿投神社(さなげ) 三の宮 県社 愛知県豊田市猿投町
 総社神社 惣社 県社 愛知県豊川市白鳥町
 *中世期は二の宮・三の宮に明証なし。
遠江 小国神社(おぐに) 一の宮 国幣小社 静岡県周智郡森町一宮
事任八幡宮(ことのまま) 一の宮   静岡県掛川市八坂
 鹿苑神社(ろくおん) 二の宮 郷社 静岡県磐田市二之宮
 二宮神社 二の宮   静岡県浜名郡新居町
 淡海国玉神社<府中惣社> 惣社   静岡県磐田市馬場町
 *事任八幡宮は中世末期に吉田家と結んで一の宮に認定された。
 *二の宮・二宮神社は中世期明証なしの論社。三の宮以下は存在せず。
駿河 富士山本宮浅間大社 一の宮 官幣大社 静岡県富士宮市宮町
 豊積神社 二の宮   静岡県庵原郡由比町
 御穂神社? 三の宮 県社 静岡県静岡市清水三保
 神部神社<浅間神社> 惣社 国幣小社 静岡県静岡市宮ヶ崎町
 富士新宮<浅間神社> 惣社 国幣小社 静岡県静岡市宮ヶ崎町(神部同敷地)
 *中世期は一の宮呼称せず。中世期の二の宮・三の宮は明証なし。
 *惣社は神部神社とされるが今川氏の後押しを受けた富士新宮(現同敷地)も無視できない。
伊豆 三嶋大社 一の宮 官幣大社 静岡県三島市大宮町
 (二宮八幡宮)<若宮> 二の宮   (静岡県三島市西若町)
 浅間神社 二の宮   静岡県三島市芝本町
 楊原神社? 三の宮   静岡県三島市北田町
 広瀬神社? 四の宮    静岡県三島市一番町
 *二宮八幡は南北朝期に三嶋大社摂社若宮となり移転。
 *その際に三の宮・浅間神社が二の宮に昇格したいう。
 *伊豆国に関しては三の宮以下明証なし。
 *惣社は三嶋大社が兼ねていたとされる。
甲斐 一宮浅間神社 一の宮 国幣中社 山梨県東八代郡一宮町
 美和神社 二の宮 県社 山梨県東八代郡御坂町
 玉諸神社 三の宮 県社 山梨県甲府市国玉町
 甲斐奈神社 四の宮 山梨県東山梨郡春日居町
 甲斐奈神社 惣社   山梨県東八代郡一宮町
 府中八幡 惣社 県社 山梨県甲府市宮前町
 *戦国期に武田氏によって整備化。
 *惣社はもともとの甲斐奈神社から武田氏創建の府中八幡へと機能が移転された。
 *四の宮甲斐奈神社は総社ともいう。
相模 寒川神社 一の宮 国幣中社 神奈川県高座郡寒川町
鶴岡八幡宮 一の宮 国幣中社 神奈川県鎌倉市雪の下
 川匂神社 二の宮 郷社 神奈川県中郡二宮町
 三之宮比々多神社 三の宮   神奈川県伊勢原市三ノ宮
 前鳥神社 四の宮   神奈川県平塚市四之宮
 平塚八幡宮 五の宮 県社 神奈川県平塚市浅間町
 六所神社 惣社 郷社 神奈川県中郡大磯町
 *鶴岡八幡宮創建以降は一の宮の機能の一部が寒川神社から移転させられた。
武蔵 小野神社   一の宮 郷社 東京都多摩市一之宮
氷川神社   一の宮 官幣大社 埼玉県さいたま市高鼻町
氷川女体神社   一の宮 郷社 埼玉県さいたま市宮本
 小河神社 二の宮 郷社 東京都あきる野市二宮
 金鑚神社(かなさな) 二の宮 官幣中社 埼玉県児玉郡神川町二ノ宮
 秩父神社 四の宮 国幣小社 埼玉県秩父市番場町
 杉山神社 六の宮 郷社 神奈川県横浜市内
 大国魂神社 惣社 官幣小社 東京都府中市宮町
 *氷川神社は中世期は三の宮。同じく金鑚神社は五の宮。戦国期に昇格。
 *氷川女体神社は江戸期の認定。
安房 安房神社   一の宮 官幣大社 千葉県館山市大神宮
洲崎神社 一の宮 県社 千葉県館山市大洲崎
 六所神社?? 惣社   千葉県館山市亀ヶ原
 鶴谷八幡神社 惣社 県社 千葉県館山市八幡
 *中世期は一の宮の呼称せず。二の宮以下は存在せず。
 *洲崎神社は二の宮ともいう。洲崎神社の一の宮主張は近世以降か? 明証なし。
 *鶴谷八幡神社は惣社八幡。
上総 玉前神社  一の宮 国幣中社 千葉県長生郡一宮町一宮
 橘神社 二の宮 県社 千葉県茂原市本納
 三之宮神社 三の宮   千葉県長生郡睦沢町北山田
 戸隠神社?? 惣社   千葉県市原市惣社
 飯香岡八幡宮(いいがおか) 惣社 県社 千葉県市原市八幡
 市原八幡宮?? 惣社   千葉県市原市市原
 *中世期の三の宮は明証なし。
 *飯香岡八幡宮は惣社八幡。市原八幡宮は国衙と関係が深い論社。
 *戸隠神社は惣社(という地名)に鎮座している論社。
下総 香取神宮 一の宮 官幣大社 千葉県佐原市香取
 六所神社 惣社   千葉県市川市国府台
 *二の宮以下は存在せず。一説には二の宮は玉崎神社ともいうが明証なし。
 *室町期に国衙機能は香取神宮に吸収。
常陸 鹿島神宮 一の宮 官幣大社 茨城県鹿嶋市宮中
 静神社 二の宮 県社 茨城県那珂郡瓜連町
 吉田神社 三の宮 県社 茨城県水戸市宮内
 総社神社(常陸総社宮) 惣社 県社 茨城県石岡市総社
 *鎌倉期までには一の宮制が確立。
 *国衙機能・二の宮以下、一の宮制度は戦国期まで明確に機能。



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