「近江湖東の古社巡り・その2」
<平成17年5月参拝・6月記載>
目次
その1・長浜「長浜ノ豊国神社」「長浜八幡宮」
その2・太郎坊山「太郎坊宮阿賀神社」
その3・野洲竜王「苗村神社」「大笹原神社」「鏡神社」
その4・草津守山「伊砂砂神社」「勝部神社」
近江八幡駅から「近江鉄道」に乗り換える。気分はさすがに「西武鉄道」。懐かしいような西武風に搖られて約30分。
13時25分に、その名もズバリ「太郎坊宮前」駅に到着。
駅から降り立てば、道は真っ直ぐに北上しており、そして大鳥居の向こうには、神意的気配漂う「太郎坊山(赤神山・標高約350M)」が独特の山並みを見せつけてくれる。
気分が高揚する瞬間。この瞬間が好きなのだ。
近江鉄道「太郎坊宮前」駅前。 |
いよいよ太郎坊宮へ |
真っ直ぐに伸びる道すがら。 |
徐々に気分も盛り上がる。 |
水田にうつり込む山並みの美しさ |
太郎坊宮・神田 |
道行くこと。北上すること約10分。山の麓まで約1キロ。そこから神社までは約500メートルのぼる。
太郎坊山に近づくにつれて気分も盛り上がり、いよいよやってきた、と昂揚する。以前より、この神社の存在はきになっており、参拝することを断念したこともあった。
「太郎坊宮阿賀神社」(村社・別表神社)
<滋賀県八日市市小脇町鎮座・朱印>
祭神:
正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊(まさやあかかつかちはやひあめのおしほみみのみこと・天照大神の第一皇子)
欽明天皇期に聖徳太子が、この地に瓦屋寺を創建した際、霊験にあらわれたのを祀ったことに始まるという。
のちに伝教大師が参籠し神徳を得て社坊を建てて、廟社を守護したとされる。
中世期は修験の道場として崇敬された。
太郎坊とは天狗のことであり、「太郎坊山の天狗」は当時の修験行者の姿を伝えたものとされている。
麓から本殿までは約700段の石段が結ぶ。山頂付近は巨岩奇岩多数。
右は成願寺。左が阿賀神社参道。神仏習合の山。 |
新緑に包まれる参道 |
鳥居が列なる参道 |
なかなかの急勾配。 実はこの参集殿までは車で登れる・・・。 |
御苦労様です |
登ったなあ・・・ |
拝殿 |
拝殿(平成17年現在、拝殿に御神霊遷座中です) |
そそり立つ岩を抜ける |
拝殿屋根を上からのぞむ。 |
本殿は修復工事中(平成18年中までの予定) |
近江蒲生郡を遠望 |
巨岩信仰 |
岩がそそり立つ「太郎坊山」 |
源義経腰掛けの岩。 |
夫婦岩。 まさに修験の山。 |
息も絶え絶えに登る。参集殿までのぼれば、そこは広場になっていて、車でここまでは楽に来られるようだ。私は下から歩いてきた。車できた人よりも、なんとなく優越感に浸っておかなければ、登ってきた苦労もバカバカしくなる。そんな私にとって、一歩一歩がうれしい参詣路。
それでもなんだかんだで山の下から拝殿まで20分を要する。駅からの時間距離は約30分。
拝殿まで来れば、ちょっとした違和感を感じる。
どうも本殿が修復工事中らしい。平成16年の台風によって本殿屋根の葺き直しが必要な状態となり、ご神霊は本殿から拝殿に御遷座中。ゆえに、御本殿に拝することが出来ないのがちょっとだけ残念。
札所のひとに朱印を頂き、お話をお伺いすると「工事は平成18年中までかかってしまいます。なにぶん、山の中で資材を運ぶだけでも大変で、なかなか工事がすすまない」とのこと。
たしかにこの環境では、どうにもこうにも「社殿」が建立されていることですら奇跡的事項になりそうな気配。残念ではあるが、致し方がない。工事が完了したら改めて参拝することを誓う。
山を巡る。岩に接する。岩を拝する。
修験の山。信仰の山。
太郎坊天狗の面影はないが、そんな修験者たちが修行した気配をなぞりつつ、山を拝する。
ゆるりゆったりと山を巡って、徐々に下山へと足が進む。何度も振り返りつつ、山を降りる。
改めて山を拝し、山を背にして参道を駅まで戻る。
14時50分。太郎坊宮前駅に入線した「近江鉄道」に改めて乗車。再び「近江八幡駅」に戻ってくる。
すでに駅名たる「近江八幡」は詣でたことがある私。それでもこの駅に何度も訪れ、この駅から、次の神社を目指す。
・・・
苗村神社。国宝社殿のある神社。どうやら「竜王町」方面に向かうバスに乗り込めば近くまで行けるらしいので、夕方迫る時間であるがとにかく目指す。
参考文献
案内看板、由緒書き等。
神社辞典・東京堂出版
角川日本地名大辞典・25滋賀県