倭建命の系統

 

この段では倭建命の系統を記す。
古事記においては日子坐王(前述)と倭建命のみが天皇家並みの異例の扱いを受けている。

 

垂仁天皇皇女である布多遅能伊理毘売命(ふたぢのいりびめのみこと・前述)を娶って生んだ御子

倭建命と布多遅能伊理毘売命の系統

帯中津日子命
仲哀天皇

たらしなかつひこのもこと
ちゅうあい

倭建命と布多遅能伊理毘売命の御子
・のちに第14代仲哀天皇となる
・このことからも倭建命の系統(皇太子並)の重要性がわかる
・この天皇が神功皇后の夫(詳細後述)
・書記では次男とし52歳で崩御している
香椎宮(官大、福岡香椎)忌宮神社(国小、下関)柞原八幡宮(国小、大分)千栗八幡宮(国小、佐賀)

 

走水で入水した弟橘比売命前述)を娶って生んだ御子

倭建命と弟橘比売命の系統

若建王

わかたけるのみこ

倭建命と弟橘比売命の御子
・書記ではこの御子を三男としている

 

近江の安国造の祖先、意富多牟和気の娘

倭建命と布多遅比売の系統

布多遅比売

ふたじひめ

・意富多牟和気(おおたむわけ)の娘
・倭建命の妻となる

稲依別王

いなよりわけのみこ

倭建命と布多遅比売命の御子
・書記ではこの御子を長男としている
・犬上君、建部君の祖

 

吉備臣建日子御鉏友耳建日子と同一人物か?前述)の妹

倭建命と大吉備建比売の系統

大吉備建比売

おおきびたけひめ

・吉備臣建日子の妹
・倭建命の妻となる

建貝児王

たけかひこのみこ

倭建命と大吉備建比売の御子
・讃岐綾君、伊勢之別、登袁之別、麻佐首宮首之別の祖
・書記では吉備武彦の娘、吉備の大穴武媛(あなどのたけひめ)との間に武卵王(たけかひこのみこ、綾君の祖)と十城別王(とをきわけのみこ、伊予別の祖)を生んだという
志志伎神社(県社、長崎平戸、十城別王を祀る)

 

山城の玖玖麻毛理比売を娶って生んだ御子

倭建命と玖玖麻毛理比売の系統

玖玖麻毛理比売

くくまもりひめ

・倭建命の妻となる
・書記には記載なし

足鏡別王

あしかがみわけのみこ

倭建命と玖玖麻毛理比売の御子
・鎌倉之別、小津の石代之別、漁田(ふきた)之別の祖
・書記には記載なし

 

 

またある妻(名不詳)を娶って生んだ御子(以下、書記には記載なし)
息長田別王の系統

息長田別王

おきながたわけのみこ

・倭建命の子

 

杙俣長日子王

くいまたながひこのみこ

・息長田別王の子

 

飯野真黒比売命

いいぬまくろひめのみこと

杙俣長日子王の娘(長女)

息長真若中比売

おきながまわかなかひめ

杙俣長日子王の娘(次女)

弟比売

おとひめ

杙俣長日子王の娘(三女)

 

 

倭建命弟橘比売命の御子である若建王飯野真黒比売命と結ばれて生んだ子

若建王の系統

須売伊呂大中日子王

すめいろおおなかひこのみこ

若建王と飯野真黒比売命の子

 

須売伊呂大中日子王と柴野比売の系統

柴野比売

しばのひめ

・近江の柴野入杵(しばぬいりき)の娘
・須売伊呂大中日子王の妻となる

迦具漏比売
訶具漏比売

かぐろひめ

・須売伊呂大中日子王と柴野比売の子
景行天皇の妻(前述
・倭建命(景行皇子)の曽孫
・どう考えても世代的に
倭建命の曽孫と倭建命の父親(景行天皇)というのは大矛盾

 

景行天皇前述と訶具漏比売の系統

大江王
大枝王

おおえのみこ

景行天皇と訶具漏比売の子

銀王

しろがねのみこ

・大江王の異腹の妹
・大江王の妻となる
・女性名ではないのが気になるが・・・

大名方王

おおながたのみこ

・大江王と銀王の子

大中比売命

おおなかひめのみこと

・大江王と銀王の子
・書記では景行天皇皇子の日子人之大兄王(前述)の娘という
・仲哀天皇の妻となり香坂王、忍熊王を生む(後述)

 

 

以上で倭建命の系統を終える
倭建命が終わってしまうと話的に張り合いが無くなってしまう
以降は、応神天皇=八幡以外に神と呼べる人物はもういないからなあ



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