「越中富山高岡の古社詣で・2」
<平成16年10月参拝>
目次
その1・富山「雄山神社」「富山日枝神社」
その2・高岡「関野神社」「射水神社」
その3・伏木「気多神社」「伏木神社」
大幅に遅れたダイヤは約30分遅れ。もはや時間通りに動くということもままならずに、とりあえずは13時25分に高岡駅に到着する。
実は高岡に来るのは二度目。昔の私は全国各地の私鉄を乗りまくっており、加越能鉄道とよばれた時代の路面電車に一度乗りに来たことがあった。今は三セク化し、「万葉線」とよばれているが、路面電車の気配はなんら変わっていないのがうれしかった。
左 高岡駅前 万葉線ホーム |
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万葉線 |
万葉線 |
もっともそんな路面電車にのるのはあとの楽しみにして、まずは駅近くの神社を目指す。
高岡の駅から北西に400メートルほど歩めば、道路に面した場所に各町内の「御車山」が納まっている倉庫がならび、その空間を巧みに利用した高台の上に「高岡関野神社」が鎮座している。
「関野神社」(県社・高岡関野神社)
<富山県富山県高岡市末広町鎮座>
祭神
天照皇大神・国常立尊・伊弉冉尊・稲荷大神
菅原道真公・前田利長公
由緒
関野神社は、慶長9年(1604年)に射水郡水戸田村(現在の大門町)の熊野神社を分霊し高岡上関村に勧請。熊野宮と称したことにはじまるとされる。
のちの文化3年(1806)に関野神社(熊野)・高岡神社(稲荷)・加久彌神社(神明)が現在地に遷座。加久彌神社は、射水郡関野郷上関村に鎮座する式内社であったともされる。
大正8年にこの三社が合祀されて高岡関野神社とされ県社列格。
現在は高岡あげての神事としての高岡御車山祭が有名。余談ながら高岡御車山祭の際は万葉線は山車の高さのために架線が撤去され運休、とか。
正面 |
境内 |
拝殿 |
拝殿後方には別空間で社殿がある |
高岡駅のすぐ近くに鎮座。地図をみていて駅近くゆえに訪れようと思った神社。参拝時にはなんらの予備知識なし。高岡御車山祭の神社であることも執筆時に気づく有様。それでいて高岡御車山祭の時に万葉線が運休するという話は知っていることに「たち」が悪いともいう。もともとの私は「鉄道趣味者」でもあるから。
のんびりとした境内。さっきまでダイヤが乱れて遅れていらだっていたが、だいぶ落ち着いてきたようだ。
13時40分。関野神社から歩く。万葉線にそって「本丸会館前」停留所から高岡城趾にむかえば、城址公園内に「射水神社」が鎮座している。
「射水神社」(式内名神大社・国幣中社・越中一の宮)
<富山県高岡市古城鎮座・朱印>
祭神
瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)
二上神とも称する
由緒
創建年代は不詳。273メートルの二上山をもともと神奈備とし、山麓に二上神を祀ったことにはじまる。二上神は伊弥頭国造の祖とも言われ、古くから越中の総鎮守であった。
延喜式では越中国三十四座のうち唯一の名神大社に列格。
中世期には養老年間に行基によって二上山山麓に養老寺が建立され、二上権現として崇敬されたという。
戦国期に兵火にかかって社殿焼失。江戸期に前田氏によって復興。
明治二年の神仏分離によって仏教色が除去。明治四年に国幣中社列格。
明治八年に現在地の高岡城趾本丸跡に遷座。現在の社殿は明治33年に類焼したものを35年に再建。
二上山山麓の旧社地には氏子の信仰によって遙拝殿が復興。山上には摂社日吉社(奧の御前)・摂社悪王子社(前の御前)、北側に摂社院内社(院内の谷)、南に末社諏訪社、古城内に末社護國神社が祀られている。
正面参道。右側に社殿がある |
社殿 |
境内 |
拝殿 |
関野神社から約1キロ離れている。射水神社に到着したのが14時ちょうど。途中、万葉線を眺めていたり城址公園内を散策したりしていたので時間を要してしまったのだ。式内社であり一の宮であれど現在地は城趾内。以前からこの地に鎮座していたわけでなく遷座したことぐらいは容易にわかる。
鎮座地はちょうど本丸跡地でもあり、そう言う意味でも興味深く珍しい神社。境内では「落ち葉焚き」がおこなわれていおり、神職やら巫女やらが点々と掃除をしている。そんな中で参拝する私は邪推でもあるが、まあ私は私でマイペースに徹する。
問題はこの先。射水神社から伏木に北上したいが、行く手段がなかった。頼りのJR氷見線は1時間に一本で激しくタイミングが悪い。バスはなおのほか来ない。
致し方がないけど、タクシーにせざるを得ないのかも知れない。そんなことを考えつつギリギリの場所までは北上しようと考えて「万葉線」を「米島停留所」まで行くことにして乗り込む。
ところが路面電車の車中で気になる地図を発見。なにやら「中伏木停留所」から「如意の渡し」という渡し場がJR伏木駅まで通じているらしい。これを見た瞬間に私の頭はフル回転する。渡し船の時間はわからないが、伏木にいくなら断然に面白いルートであると。瞬時に判断し米島からタクシーをやめて、中伏木まですすんでみる。まったく予定外の行動で、自分の先々も不安であるが、それもまた楽しいものである。
参考文献
境内案内看板・由緒書
神社辞典(東京堂出版)
角川地名大辞典