「茨城交通湊線沿線の古社・その1」
<平成7年3月参拝・5月執筆>
目次
その1「橿原神宮」「堀出神社」
その2「酒列磯前神社」「大洗磯前神社」
ある3月。茨城交通に乗りにいった。本来の目的は「国鉄色のリバイバル茨城交通」を撮ること。
しかし、この日は運用がなかった。(ゆえに後日、また撮影に行ったのだ。リンク先)
しょうがないから、沿線の古社詣で、をすることにする。
このあたり、私は変わり身が早かった。
「橿原神宮」(県社・橿原神社)
<茨城県ひたちなか市富士ノ上鎮座>
祭神
第一代 神武天皇 (橿原)
第五十代 桓武天皇 (柏原)
崇道天皇 (桓武天皇皇太子・早良親王)
元明天皇の和銅年中(708−715)に創建という。最初の鎮座地は涸沼のほとり石崎村升原(茨城町中石崎)に鎮座していたという。
仁寿年間(1511−13)に湊村宮山町(明神町)に遷座。
延長五年(1587)に常陸大豫(地方長官)の平国香が桓武天皇・崇道天皇を合祀。「柏原大明神」と尊称されてきた。
社殿は江戸期の寛文十二年(1672)に炎上。同年八月に現在地の富士ノ上に遷座。
明治十五年に県社列格。
橿原神社 | |
茨城交通湊線「殿山駅」から約800メートル南西。駅から10分ほど歩けば、神社前に到着。社地は小高い丘の上。「富士ノ上」というだけのことはある。昔は富士が見えたのだろうか。
関東で、異色な「橿原神社」。神社名称的には「橿原神宮」と称されている。そう言う意味でも興味深い神社。
もっとも神社自体は、日常的な佇まい。こういう自然な佇まいもありがたい。
橿原神社から約1キロを西に歩く。茨城交通湊線のカーブにそってあるけば、那珂湊駅。磯の香りが漂う良い街中。
那珂湊から電車に乗り込んで、今度は「阿字ヶ浦駅」、茨城交通の終着駅に赴く。
ここから歩けば「酒列磯前神社」なのだ。
「堀出神社」(村社)
<茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦鎮座>
祭神
誉田別尊
寛文十一年(1671)に水戸藩主徳川光圀の命によって創建。
以来、阿字ヶ浦の鎮守として崇敬されてきた。
現在の社殿は明治初年に造営されたものを、平成8年に修復。拝殿・社務所を新築したもの。
拝殿 |
拝殿彫刻 |
本殿 |
本殿 |
阿字ヶ浦駅の東150メートルのところに鎮座。駅前から酒列磯前神社に赴く道途中に鎮座している。格別に特別の意味を見出したわけではないが、なにげなく境内に足を運べば彫刻が立派だった故に、ついつい長居をする。
しかし、なにげに時間があまりない。茨城交通電車の折り返しを計算すると、そんなに阿字ヶ浦に滞在は出来ないのだ。
さらにこの先は那珂湊のバス接続時間もある。
そんなわけで、私は酒列磯前に向けて走り出す。かつて、ここには一度来たことがある。それゆえに知った道。とにかく速歩き気味に駆け出すのだった。
参考文献
境内案内看板・由緒書
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