「いつきまつる島。安芸宮島へ。」
<平成17年5月参拝・平成17年6月記>
広島に行く用事があった。用事は夕方から。
私は広島にいる。せっかくだから「宮島」に行きたい。
そんなこんなで広島は宇品港から高速船にのって一気に宮島に赴く。
前回とはコースをかえてみたかったのだ。
今回は再訪問社です。ゆえに写真メインで。前回の記事はこちらから。
「厳島神社」 (式内名神大社・安芸一の宮・官幣中社・伊都伎島神社・国宝・世界遺産)
<広島県佐伯郡宮島鎮座・朱印>
<前回掲載ページへ>
主祭神:
市杵島姫命・田心姫命・瑞津姫命
相殿配祀:
国常立尊・天照皇大神・他
由緒
安芸国一の宮。神をいつきまつる島であり島全体が神体。かつては人の居住や田畑の耕作もみとめられなかった神聖な島であり、出産や葬式などの不浄も対岸で行われたという。
創立年代は不詳。社伝によると推古天皇元年(593)に佐伯郡に住んでいた佐伯鞍職(くらもと)が託宣をうけて宝殿回廊を建立し神領を寄進したことが最初の記録となっている。
延喜式では「名神大社」に列し、後一条天皇の寛仁元年(1017)には一代一度の大奉幣に預かる全国屈指の神社となっていた。
平清盛が久安2年(1146)に安芸守に任命されると神主佐伯景弘に命じて社殿と回廊の造営を行わせ、平家の氏神的存在となる。
寿永4年(1185)に平氏が壇ノ浦で滅び、源氏の治世となったが、源頼朝も厳島を崇敬すること平氏と変わりなく、その後も足利尊氏・大内義隆・毛利元就・豊臣秀吉・広島藩浅野家などが社殿修造や社領寄進などを行い崇敬してきた。
現在の社殿は平清盛が改築したものを伝えているとされ、多くが国宝・重要文化財に指定されている。以下に主なるものを記載。もちろん文化財はこれだけではなく、記載しきれないほどにあるのだが。
国指定国宝建築物
本社本殿/幣殿/拝殿/祓殿・・・元亀二年(1571)、毛利元就が改築。
摂社客神社本殿/幣殿/拝殿/祓殿・・・社殿配置は本社とほぼ同じ建築構成。
回廊・・・室町期から桃山期にかけて改築。
回廊部(左右門客神社・左右内侍橋・高舞台・平舞台・楽房)等
国指定重要文化財建築
大鳥居・・・明治8年に造替。
能舞台・・・永禄11年(1568)頃の造営というが江戸期の改築が色濃い。平成3年の台風で倒壞したが、6年に古材を用いて再建。
摂社天神社本殿・・・弘治二年(1556)、毛利隆元の建立。連歌堂ともいう。
摂社大国神社本殿・・・元亀二年(1571)の改築。
長橋・・・桃山期の造営。
揚水橋・・・桃山期の造営。
反橋・・・弘治三年に毛利元就・隆元父子の造営。別名、勅使橋。
朝座屋・・・桃山期。昭和40年頃までは社務所として使用。もとは神職が祭典の祈りに集まった場。
広島宇品港。宮島行高速船。約22分で宮島へ。 |
参道の神鹿 |
神鹿 |
神鹿 |
神鹿 |
神鹿 |
大鳥居。神威的な何かを感じる。 | |
平成16年の台風で甚大な被害を受けている・・・。 |
入口 |
回廊<国宝> |
客人神社<国宝> |
客人神社本殿<国宝> |
客人神社本殿<国宝> 奧は朝座屋<国重文> |
厳島神社本殿<国宝> |
厳島神社本殿<国宝> |
厳島神社本殿<国宝> |
厳島神社拝殿<国宝> |
厳島神社祓殿<国宝> |
厳島神社高舞台<国宝> |
厳島神社高舞台と祓殿<国宝> 結婚式も執り行われていて、人の往来が賑やか。 参拝時は丁度、満潮から潮がひいていく頃合い。 社殿付近は、もうひいていたのだ |
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台風被害。西舞台<国重文>付近・・・。 |
潮が引く。西回廊<国宝>と左は能舞台<国重文> |
いたるところに台風の被害が残る。 そろそろ一年が経つが、なかなか厳しい。 左は「長橋」<国重文>の跡。 |
文化財の社殿。厳島神社。
平成16年に来襲した台風の爪痕が、そろそろ一年を経とうとするも、痛々しく残っている。
常に、自然と向き合ってきた神社がそこに、今は静かな海面を搖らめかせる瀬戸内海に向かって鎮座していた。
二社ばかり。宮島の神社を掲載
「三翁神社」
中央:大綿津見~・安徳天皇・佐伯鞍職・二位尼・所翁・岩木翁
左殿:大己貴命・猿田彦神
右殿:御子内侍・特寿内侍・竹林内侍の各祖神
由緒
鎮座年月は不明。
近江坂本の山王社を勧進し、明治維新までは山王社と称した。
「荒胡子神社」<国重要文化財>
素戔嗚尊・事代主神
仁安3年(1168)に江比須社の記録が残る古社。創建年代は不明。
現存の本殿は嘉吉元年(1441)に再建されたもので重要文化財指定。
左:荒胡子神社本殿<重文> |
二社共に、厳島神社の後方に鎮座している。どちらも土産物屋の並ぶ参道に面しているが、道行く人は多くても、境内に足を運ぶ人は少ない。
厳島に滞在して、鹿と戯れながらぼーっとするのも至福の時。
夕方からは広島城跡に鎮座する「廣島護國神社」に赴くつもりでいたから、それまでの時間をのんびりとすごす。
参考文献
神社由緒看板及び御由緒書
神社辞典・東京堂出版